【調査】SNS上の批判を見た人の約半数が購入・利用を中止…フェイクニュース時代に必要な情報リテラシー

画面に流れてくる言葉や画像は、私たちの印象や判断を左右することがあります。企業や商品の批判が拡散されているのを見て、購入をためらった経験がある人もいるのではないでしょうか。

株式会社システムリサーチが運営する創作品モール「あるる」は、全国の20〜60歳の男女400人を対象に、SNSでの炎上に関するアンケート調査を実施しました。

SNS上の批判は、消費者の購買行動にどのような影響を与えているのでしょうか。調査結果をもとに、企業の炎上と消費者心理、そしてフェイクニュース時代に求められる情報リテラシーについて考えます。

SNS上の批判を見た人の約半数が購入・利用を中止

調査では、SNS上で商品やサービス、企業の広告・キャンペーンなどに関する批判を見た経験があるかを質問しました。

その結果、「よくある」が9.8%、「ときどきある」が31.8%、「あまりない」が26.5%となり、合計68.0%がSNS上の批判を目にした経験があると回答しました。

さらに、批判を見た経験がある人のうち、60.7%が商品やサービス、提供する企業などへの印象が悪くなった経験があると回答。批判をきっかけに購入や利用をやめた経験については、49.3%にのぼりました。

この結果からは、SNS上の批判が企業や商品のイメージだけでなく、消費者の購買行動にも関わっていることがうかがえます。

では、消費者は何を判断材料にして購入や利用をやめるのでしょうか。

購入・利用を中止した経験がある人に、その判断に最も影響したものを尋ねたところ、最多は「批判のきっかけとなった出来事や内容」で55.2%でした。次いで「企業や関係者からの説明・対応」が20.9%、「SNS上での批判の多さ」が14.2%となっています。

批判がどれほど広がっているかだけでなく、問題となった出来事や企業側の説明・対応も、消費者の判断に関わっているようです。

SNSで拡散されている情報はすべて事実なのか

SNSでは、企業や商品の問題点が広く知られることで、消費者が必要な情報を得られる場合があります。その一方で、投稿されている内容が必ずしも事実に基づいているとは限りません。

投稿者の憶測や誤解が広がることもあれば、発言や出来事の一部分だけが切り取られ、前後の文脈が十分に伝わらないまま拡散されることもあります。さらに、意図的に作られた偽情報が、事実であるかのように流通する可能性もあります。

批判的な投稿に多くの「いいね」やコメントが付いていたとしても、それだけで内容の正確性が証明されるわけではありません。同じ情報が何度もタイムラインに表示されると、事実であるように感じてしまうこともありますが、拡散規模と信頼性は分けて考える必要があります。

もちろん、SNS上の批判が正当な問題提起である場合もあります。企業の不適切な対応や商品の問題が、SNSを通じて明らかになることもあるでしょう。

大切なのは、批判をすべて疑うことでも、すべてを信じることでもありません。何が確認された事実なのか、何が投稿者の意見や推測なのかを区別し、根拠を確かめる姿勢です。

フェイクニュース時代に必要な情報リテラシー

政府広報オンラインは、インターネット上の偽情報や誤情報に惑わされないためのポイントとして、情報源や発信者の確認、ほかの情報源との比較、画像の真偽の確認などを挙げています。

SNSで気になる批判や炎上の話題を見かけたとき、私たちにはどのような行動が求められるのでしょうか。

①情報の出所と根拠を確認する

まず確認したいのは、誰が、いつ、何を根拠に発信しているのかという点です。

匿名アカウントによる投稿なのか、当事者の公式発表なのか、報道機関による取材記事なのかによって、情報の性質は異なります。投稿に出典が記載されている場合は、引用元までたどって内容を確認してみましょう。

ただし、公式アカウントや著名な発信者による情報であっても、必ずしもすべてが正しいとは限りません。発信元を確認することは、情報の真偽を判断するための出発点です。

②複数の情報源を照らし合わせる

SNS上の投稿だけで判断せず、企業の公式発表や関連資料、信頼できる報道機関の記事なども確認することが大切です。

複数の情報源を比較すると、SNSでは省略されていた経緯や、異なる立場からの説明が見えてくることがあります。

ただし、複数の投稿が同じ未確認情報を引用しているだけの場合もあります。情報源の数だけでなく、それぞれが独立した根拠に基づいているかどうかにも注意しましょう。

③画像や動画も見た目だけで判断しない

写真や動画が添えられていると、投稿に説得力を感じることがあります。しかし、画像が過去の別の出来事のものだったり、説明文と無関係な映像だったりする可能性もあります。

生成AIによって作られた画像や動画も流通するなか、見た目だけで真偽を判断することは難しくなっています。

気になる画像があれば、画像検索を利用して過去の掲載状況を調べたり、元の投稿や撮影時期を確認したりする方法もあります。

④感情が動いたときこそ拡散する前に立ち止まる

怒りや驚き、不安を感じる投稿は、誰かに伝えたくなることがあります。しかし、感情が大きく動いたときほど、内容を十分に確認しないまま共有してしまう可能性があります。

「これは確認された事実なのか」「誰かの推測が含まれていないか」「ほかの情報源ではどう説明されているか」と、一度立ち止まって考えてみましょう。

真偽を確認できない場合は、安易に拡散しないことも大切です。情報を共有する行為そのものが、誤情報をさらに広げてしまう可能性があるためです。

企業の対応から情報を受け取る側の姿勢へ

今回の調査では、SNS上の批判を見た経験がある人の49.3%が、購入や利用をやめた経験があると回答しました。また、購入・利用をやめる判断に最も影響したものとして、「批判のきっかけとなった出来事や内容」が55.2%を占めています。

企業にとっては、問題が発生した際に事実関係を確認し、必要な説明や対応を行うことが重要です。消費者にとっても、企業側の説明を含め、複数の情報を確認したうえで判断することが求められます。

SNS上の評判を参考に商品やサービスを選ぶこと自体は、決して悪いことではありません。実際に利用した人の感想や企業の対応に関する情報が、購入を検討するうえで役立つこともあります。

しかし、SNSで話題になっていることと、その情報が事実であることは別の問題です。批判をうのみにしないこと。そして、問題が指摘されているからといって、根拠を確かめずに無視することもしないこと。情報の出所や根拠を確認し、事実と意見を区別する姿勢が、企業や商品を適切に評価することにもつながります。

情報が瞬時に広がる時代だからこそ、発信する側だけでなく、受け取る側にも冷静に情報を見極める力が必要なのではないでしょうか。

調査概要

調査主体:株式会社システムリサーチ(創作品モール「あるる」運営)

調査対象:全国の20〜60歳の男女

調査期間:2026年10月5日

調査方法:インターネットアンケート調査

有効回答数:400名

参考:政府広報オンライン「インターネット上の偽情報や誤情報にご注意!」

※調査結果を引用・転載する際は、発表元が案内する引用条件を確認してください。

ハラカズコ

メディアライター

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