植物性という制約から食文化の豊かさへ Nén Tokyoがヴィーガン・テイスティングメニューを発表

代官山のモダンベトナムレストラン「Nén Tokyo(ネン トウキョウ)」は、植物性食材のみでベトナム料理の魅力を表現する新たな9品構成のテイスティングメニュー「ベトナムの物語 ― ヴィーガン体験(Sto:ries of Vietnam – Vegan Experience)」の提供を開始しました。

同店は開業から9カ月で『ミシュランガイド東京』掲載店に選出。

今回の新メニューは、ヴィーガンやベジタリアンの方はもちろん、多様な食の価値観を持つ人々が同じ物語を共有できる体験として提案されています。

「食べる」から「物語を味わう」へ

新メニューは、通常コース「ベトナムの物語」と同じストーリー構成を受け継ぎながら、植物性食材のみでベトナム料理の奥行きを表現しています。

全9品には、きのこ、豆腐、こんにゃく、ナス、蓮の実、炒り米、樹液、季節の果実などを使用。ベトナムと日本、それぞれの食材を取り入れながら、季節性やローカル調達、サステナビリティを重視したNén Tokyoならではのアプローチで仕上げられています。

代表的な料理には、食べられる紙を用いた「紙」、湯葉や金柑を使った「黄金」、ヴィーガン仕様のベトナム風煮込み料理「Ember & Spice」などが並びます。

ベトナムに根付く菜食文化を現代のコースへ

ベトナムでは、植物性の食事は特別な食文化ではありません。

仏教文化の影響を受け、新月と満月の日に菜食や精進料理をいただく習慣が、多くの家庭で現在も受け継がれています。

ダナン出身のシェフ、Summer Le(サマー・レ)氏にとっても、その文化は幼い頃から暮らしの一部として親しまれてきた食文化でした。

今回のコースでは、その背景にある文化を大切にしながら、海外ではまだ広く知られていないベトナム料理のもう一つの魅力を伝えています。

通常コースとヴィーガンコースを並行して提供することで、食の選択が異なる人同士が同じテーブルを囲み、同じ9品の物語を共有できます。

ヴィーガンという選択肢を特別なものとして切り分けるのではなく、一つの食文化として自然に受け入れられる体験を目指している点も特徴です。

五感で読み解く

ヴィーガンという言葉は、ときに「食べられないものがある」という制限のイメージで語られます。

しかし、本来のベトナムの菜食文化は、宗教や季節、暮らしのリズムと結びついた食文化の一つです。Nén Tokyoが表現するのは、植物性食材へ置き換えた料理ではなく、その文化そのものを味わう体験だといえるでしょう。

注目したいのは、食材を変えても「ベトナムの物語」は変わらないという考え方です。同じストーリーを異なる食の選択で共有できることは、多様性が求められる現代のレストラン体験を象徴しています。

料理は味覚だけでなく、香りや食感、器の質感、空間に流れる会話まで含めて五感で味わう文化です。Nén Tokyoが提案するヴィーガンコースは、植物性食材という選択肢を広げるだけではなく、ベトナムに息づく食文化や価値観を体験する入口としても注目されます。

店舗情報

店名:Nén Tokyo(ネン トウキョウ)

所在地:東京都渋谷区代官山町14-18 チャコット代官山本店4階

営業時間:18:00~最終入店20:00

定休日:月曜日

ディナーコース

  • フルコース(全9品):21,000円(税込)
  • ショートコース(全6品):16,000円(税込)
    ※サービス料10%別途

ペアリング

  • ノンアルコールペアリング:8,800円
  • アルコールペアリング:9,700円~

予約:TableCheckより受付

ハラカズコ

メディアライター

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