【イベントレポート】”平成を飲む”をコンセプトにしたクラフト焼酎を体験 櫻乃峰酒造「CRAFT SHOCHU HEISEI ハイボール酒場」を開催

宮崎県・日南市の老舗焼酎蔵・櫻乃峰酒造は、7月29日から8月1日までの4日間限定で、東京・新橋にて体験型ポップアップイベント「CRAFT SHOCHU HEISEI ハイボール酒場」を開催した。

コンセプトは「平成を飲む」。

会場には、1990年代後半から2000年代初頭のカルチャーを散りばめた特設空間が広がり、平成世代に向けて開発されたクラフト焼酎「HEISEI」シリーズを味わえるハイボール酒場が登場。来場者は、どこか懐かしくも新しい空間で、平成の記憶をテーマにした焼酎体験を楽しんだ。

櫻乃峰酒造は、明治10年創業。焼酎生産量日本一を誇る宮崎県の中でも、多くの焼酎蔵が集まる日南市に蔵を構える老舗酒蔵だ。

代々受け継がれてきた「甕壺(かめつぼ)仕込み」を現在も守り続ける一方、現代のライフスタイルに合わせた新しい焼酎造りにも積極的に取り組む。手造りならではの繊細で奥深い味わいを追求している。

若者の焼酎離れが話題となる一方で、「焼酎業界が若者を取り残しているのではないか」という発想から誕生したのが、7月17日に発売された新ブランド「HEISEI」シリーズだ。

「焼酎はこうあるべき」という従来の固定観念を見直し、「ダサい」「おじさんのお酒」といったイメージを覆すことを目指した。平成世代が自分たちの感性で楽しめるクラフト焼酎として開発されている。

ラインアップは、平成という時代を3つの年代で切り取り、それぞれ異なる酒質で表現した3商品を展開した。

「#1989」

平成元年をテーマにした一本。樫樽で20年以上熟成させた麦焼酎を使用し、バニラを思わせる甘い香りとスモーキーな余韻、長期熟成ならではのまろやかな味わいが特徴だ。

「#1999」

平成カルチャーの熱量を表現した芋焼酎。柑橘系の華やかな香りとフルーティーな甘みを持ち、レモン炭酸で割ることで、グレープフルーツを思わせる爽やかな味わいへと変化する。

「#2001」

デジタル化が加速した時代をイメージした麦焼酎。日本酒酵母由来の吟醸香とリンゴを思わせる軽やかな香りが特徴で、炭酸割りではシャープな清涼感を楽しめる。

イベント会場では、新ブランド「HEISEI」の開発に携わった櫻乃峰酒造 杜氏・福岡哲朗氏に話を聞いた。

―今回の「HEISEI」を開発するうえで、最も苦労したことを教えてください。

「すべてが試行錯誤でした。開発は約1年半前から始まり、『若い世代にも焼酎を飲んでもらえる商品を作りたい』という思いが出発点でした。」

まず取り組んだのは、原料となる甘藷(さつまいも)の選定だったという。

「炭酸割りでおいしく飲める焼酎を目指し、原料選びからスタートしました。私は40年ほど焼酎造りに携わっていますので、どの産地の甘藷が適しているかという経験はありました。生産者に依頼して栽培してもらい、収穫まで約半年。その後、昨年10月から仕込みを始めました。」

今回は日本酒造りの考え方を取り入れた「低温仕込み」にも挑戦した。

「私たちの蔵では地中に埋めた甕壺(かめつぼ)で仕込みを行っています。地温によって発酵の状態が変わるため、毎日何度も温度を確認しながら管理しました。」

酒造りへの思いを尋ねると、こんな言葉が返ってきた。

「私は酒造りを子育てのようなものだと思っています。赤ちゃんが暑ければ涼しくし、寒ければ温めるように、お酒も毎日様子を見ながら育てていく。そうしてようやく納得できる焼酎ができました。皆さんにも、そんな思いを感じながら飲んでいただけたらうれしいですね。」

さらに、アルコール度数も、炭酸割りで最もバランスよく楽しめるよう何度も調整を重ねたという。

「蔵のスタッフとも試飲を繰り返し、炭酸との相性や味わいを細かく確認しました。炭酸水の種類によっても香りや印象が変わるので、ぜひいろいろな飲み方を試していただきたいです。」

―最後に、若い世代の方へメッセージをお願いします。

「焼酎には『年配の人が飲むお酒』というイメージがあるかもしれません。でも、その固定観念を変えたいという思いで、この『HEISEI』を作りました。まずは炭酸割りで飲んでみてください。そこから、自分に合った飲み方を見つけてもらえたらうれしいです。そして、この焼酎をきっかけに、本格焼酎がもっと多くの人に親しまれる存在になってほしいと思っています。」


約1年半にわたる試行錯誤を経て誕生した「HEISEI」シリーズ。若い世代に焼酎の魅力を伝えたいという思いから、原料選びや低温仕込み、炭酸割りでの味わいまで細部にこだわり抜いて開発された。

「焼酎は年配の人が飲むもの」という固定観念を覆し、平成世代が自然に手に取れる一本を目指した福岡氏。その挑戦は、伝統を守りながらも新たな価値を生み出そうとする櫻乃峰酒造の姿勢そのものといえるだろう。

懐かしさと新しさが交差する「HEISEI」は、本格焼酎に馴染みのない人にとっても、その魅力に触れる新たな入口となりそうだ。


商品情報

HEISEIシリーズ

  • #1989(700ml/30度)2,600円(税込)
  • #1999(700ml/25度)2,200円(税込)
  • #2001(700ml/25度)2,200円(税込)

販売開始日:2025年7月17日

購入方法:櫻乃峰酒造公式オンラインショップ、全国の酒販店で販売中。

公式サイト
HEISEI ブランドサイト

オンラインショップ
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